介護医療院で働く介護職員には、介護技術以外にもさまざまな能力が必要とされる。入居者一人ひとりが抱える身体的・精神的な状況を理解し、それに応じたサポートを提供するには、高度なコミュニケーション能力が求められる。そのため、入居者とその家族、他のスタッフと円滑な関係を築き、信頼を得ることは欠かせない要素といえるだろう。
また、緊急の状況に直面した際、迅速かつ正確に判断し、柔軟な対応を取れる能力も必要だ。介護医療院では、時に予測不能な事態が起こる。そのため、いかなる時も焦ることなく、落ち着いて行動できる冷静さが求められる。加えて、基本的な医療知識も要する。これには、日々の健康管理のみならず、怪我や病気の際の初期対応も含まれる。介護医療院では、一般的に医療行為は医療従事者が対応するが、入居者の暮らしを守るいち介護職員として、これらの知識は持っておきたいものだ。
そして、入居者への心のこもったケアを行うためには、細やかな配慮ができる能力も大事だ。身体的な状態だけでなく、その人がどのような人生を歩んできたのか、何を大切にしているのかを理解し、尊重することが重要となる。そのためには、介護職員自身が常に学び、成長しようとする姿勢を持つことが欠かせない。加えて、チームで働く上での協調性も不可欠となる。介護職員は医師や看護師など他職種と密接に連携し、入居者に最適なケアを提供する一員でもある。互いに情報を共有し、支え合うことができなければ、より良いサービスを提供することは不可能だ。